今回は、ちょっとユニークなテーマで英語を学んでみましょう!
英語には、野菜の名前を使った面白いイディオムがたくさんあるんです。しかも、それが日常会話や映画・ドラマの中でも頻繁に使われているんですよ。
「これ、ネイティブは本当に言うの?」というリアルな使い方を、実際の映画やドラマのセリフから一緒にチェックしていきましょう!🍆🥕🌽
【A couch potato】
意味
長時間座ったり、寝転んだりして過ごすこと。主にテレビを見たり、他の受け身な活動ばかりして過ごす人のことを指します。この表現は、運動不足で座りっぱなしの生活をしている人を表すのによく使われます。
文脈によっては、ユーモアを込めて「怠けてるね」とからかうように使ったり、逆にやる気がない・エネルギーが足りない様子をもう少し深刻に表現する場合にも使われます。
例文
- I don’t want to spend my whole weekend being a couch potato.Let’s go hiking!
週末に家でごろごろしたくないな。ハイキングに行こうよ! - His mom told him to quit being a couch potato and do something useful.
彼のお母さんは、「だらだらしてないで、何か役に立つことをしなさい」って言った。
🎬『ビートルジュース ビートルジュース』での使用例
リディアの娘であるジェナ・オルテガ演じるアストリッドが、新しくできた友達ジェレミーを訪ねるシーンがあります。彼女が彼の家族について尋ねると、ジェレミーはこう言います。
“My dad used to work at the paper mill,but then he had an accident,so now he’s a full-time couch potato.”
うちの父さん、昔は製紙工場で働いてたけど、事故に遭ってからはずっと家にいて、完全なカウチポテトさ。
“full-time couch potato” というフレーズは、「ほぼ一日中」という部分を強調して、少しユーモラスな表現になっていますね。
もしあなたが、休日にずっとベッドに寝ていたり、テレビや動画を見てばかりいる日があったら…
“I haven’t done anything today.I’m such a couch potato.”
今日一日何もしてないな…絶賛カウチポテト状態だ私…
なんてつぶやくこともできます。
【Full of beans】
意味
とても元気で、活力にあふれている様子を表すイディオムです。
特に、子どもや若者などがエネルギーを持て余しているような状態や、ハイテンションで落ち着かない様子にもよく使われます。
この表現にはポジティブな意味もあれば、少し手を焼くような騒がしい・落ち着きがないというような意味で使われることもあります。
例文
- He’s always full of beans before a big game.
彼は大事な試合の前になると、いつもテンションが高い。 - The kids were full of beans after the party.
子どもたちはパーティーの後、元気いっぱいだった。
🎬『許されざる者』での使用例
モーガン・フリーマン演じるネッドがクリント・イースト演じるマニーに、若い頃、共に賞金稼ぎをしていた時代のことを思い出しながら語るシーンがあります。そこで、ネッドはマニーにこう言います。
❝We was young and full of beans.”
あの頃は若くて血の気が多かった。
ここでの “full of beans” は、若さゆえの無知や軽率さからくるエネルギッシュで突っ走っていた過去という意味で使われています。懐かしさと苦さが入り混ざった古風な表現となっています。
Spill the beans
意味
「秘密を漏らす」「うっかりバラしてしまう」という意味のイディオムです。
何か秘密にしておくべき情報やサプライズを、意図せずに、あるいはうっかり話してしまうときに使われます。
カジュアルな会話でよく使われ、ネガティブなトーンで使われることが多いですが、場合によっては面白おかしく使われることもあります。
例文
- Don’t spill the beans about her surprise party!
彼女のサプライズパーティーのこと、バラさないでね! - He accidentally spilled the beans about the new project.
彼は新しいプロジェクトのことをうっかり漏らしてしまった。
🎬『カンフーパンダ2』での使用例
主人公ポーと仲間たちが、敵であるシェン大老と対面するシーン。
シェンとポーの間には因縁があるのですが、ポーはまだその真実を思い出していません。その場で、周囲の人物たちが何かを知っているような、意味深な態度や発言をする中で、ポーは苛立ち、こう言います。
“Enough of this riddle,would you guys spill the beans?”
もう謎めいた話はたくさんだ。そろそろ真実を教えてくれよ。
まさに、「隠し事はやめて、正直に話して!」という強めの問い詰めの表現です。
A hill of beans
意味
「取るに足らないもの、全く価値のないもの」という意味の表現です。
直訳すると「一山の豆」となりますが、これは、「豆が山になっていても大した価値はない」というニュアンスから来ています。
「Not worth a hill of beans(豆の山ほどの価値もない)」という否定形で使われることもあります。
例文
- All the money in the world doesn’t amount to a hill of beans if you’re not happy.
幸せでなければ、世界中のお金なんて何の価値もない。 - His promises aren’t worth a hill of beans.
彼の約束なんて、まったく当てにならない。
🎬『キング・オブ・コメディ』での使用例
ロバート・デ・ニーロ演じるルパートが、妄想の中で「自分の結婚式のスピーチ」を思い描くという設定のシーンで登場します。
“His teachers,his classmates dreamt that he would amount to a hill of beans.“
先生もクラスメートも、彼はロクな人間にはならないと思っていた。
このシーンは現実ではなく、ルパートの頭の中の空想の世界です。
ここで使われている “amount to a hill of beans” は、「大したことにならない、成功しない」という意味の表現。
ルパートは、自身の結婚式でのスピーチを通して、自分の過去を振り返るという妄想をしており、「誰も期待していなかった彼が、成功し、美しい花嫁を手に入れた」という逆転劇を空想しているのです。
このセリフには、彼の“成功に対する強い執着”と、“かつて誰にも認められなかった過去”が凝縮されています。自己肯定と皮肉、そして孤独感が入り混じった、ルパートという人物の内面を象徴する印象的な一言です。
In a pickle
意味
「困った状況にある、厄介な問題に直面している」という意味の表現です。
特に、自分では簡単に抜け出せないようなトラブルやジレンマにいるときによく使われます。
ピクルスが使われているのは、もともと「ごちゃごちゃした状態」や「漬け込まれた混乱したもの」をイメージして使われていたもので、そこから転じて「混乱状態」「厄介な状況」という表現になりました。
例文
- I lost my passport and now I’m in a real pickle.
パスポートをなくして、本当に困ったことになったよ。 - We’re in a bit of a pickle.The car won’t start and we’re in the middle of nowhere.
ちょっと困ったことになったよ。車が動かないのに、辺鄙なところにいるんだ。
🎬『ジョジョラビット』での使用例
このセリフが登場するのは、ジョジョが母の家の壁の裏に隠れていたユダヤ人の少女・エルサを見つけた直後のシーン。そんな混乱のさなかに現れたのが、タイカ・ワイティティ演じる空想の友人。そして、彼はジョジョにこう言います。
“You’re definitely in a pickle,my friend.“
君は間違いなく困った状況に陥っているよ、友よ。
この“in a pickle”は、困ってるけど、ちょっと笑える・気まずい状況や板挟みなど、ジレンマ的状況を指しています。
Peas in a pod
「そっくりな二人・とてもよく似た二人・仲の良いコンビ」という意味のイディオムです。
特に性格や行動が似ていて、いつも一緒にいて気が合うような関係を表す表現です。物理的にも精神的にもぴったりくっついていて一心同体のような関係を表しています。
例文
- My twin daughters are like two peas in a pod.They do everything together.
うちの双子の娘たちはまるで双子以上にそっくりで、何でも一緒にやってるよ。 - They’ve been best friends since kindergarten,two peas in a pod.
幼稚園の頃からずっと親友で、本当に仲の良いコンビだよ。
🎬『22ジャンプストリート』での使用例
このイディオムが登場するのは、チャニング・テイタム演じるジェンコが潜入捜査で大学のラグビーチームに入り、アメフト部のスター選手ズークと抜群のチームワークを見せる試合中の場面でコーチが、副校長ボブに向かって放ちます。
“These two are peas in a pod,Bob.”
この二人ほんとに気が合うな、ボブ。
まさに「息がぴったり」「そっくりな二人」という意味での peas in a pod がぴったりハマるシチュエーションです。
Peas and carrots
「とても相性がいいもの・切っても切れないコンビ」を意味します。
特に人間関係で「一緒にいるのが自然な関係、ぴったりな組み合わせ」を表す表現です。
例文
- My grandparents have been together for 50 years.They’re like peas and carrots.
祖父母は50年連れ添ってる。まさにおしどり夫婦ってやつだよ。 - We work so well together.It’s like peas and carrots.
私たちの相性って抜群。まるでグリーンピースとニンジンみたいにね。
🎬『フォレスト・ガンプ』での使用例
トム・ハンクス演じるフォレストが、幼なじみのジェニーとの出会いを振り返りながら言うセリフがこちら。
“Jenny and me was like peas and carrots.”
ジェニーと僕は、まるで豆とニンジンのようにいつも一緒だった。
フォレストの言葉は、文法的には “was” のところで間違っていますが、その素朴さ・誠実さ・感情の純粋さが、かえってこのセリフの印象を強くしていますね。
small potatoes
意味
「取るに足らないもの、重要でないもの、ごく小さな問題」を意味する表現です。
何かを比較して、「それは大したことじゃない」「そんなことは本質じゃない」と軽視する際に使われます。
例文
- Losing a pen is small potatoes compared to losing your passport.
ペンをなくすくらいのことは、パスポートをなくすのに比べれば大したことじゃないよ。 - The extra cost is small potatoes in the grand scheme of things.
全体を考えれば、その追加費用なんて大したことじゃない。
🎬『ロード・オブ・ウォー』での使用例
映画の中で、ニコラス・ケイジ演じるユーリ・オルロフが次のように言っています。
“This is bulls**t money,V.this is small fu**ing potatoes.”
これはクソ金だ、こんなの小遣いみたいなもんだ。
このように、“small potatoes“はこの場面だと「この儲けなんて大したことじゃない、本物の稼ぎじゃない」というニュアンスで使われています。
Dangle a carrot
「報酬や魅力的なものをチラつかせて、誰かに何かをさせようとすること」を意味するイディオムです。
特に、人を動かすための動機づけや誘導として使います。あえて見せびらかすようなイメージで、ちょっとずる賢い、操作的な響きを持つこともあります。
例文
- He dangled the carrot of a promotion,hoping to keep her from quitting.
彼は昇進の話をチラつかせて、彼女の退職を引き止めようとした。 - Politicians often dangle tax cuts like carrots before elections.
政治家たちは選挙前によく「減税」をエサのようにチラつかせる。
🎬『ニューヨークの恋人』での使用例
メグ・ライアン演じるケイトが同僚のダルシーに対して、上司であるJ.J.の行動について話している場面で登場します。ケイトは、J.J.が明確な決断を下さず、曖昧な態度を取っていることに対して不満を抱いており、そのことをダルシーに伝えています。
“All he did was dangle a carrot until he makes a decision.“
決めるまで、ずっと期待だけ持たせてたのよ。
「昇進や重要なプロジェクトなど、キャリアに関わる“おいしい話”をチラつかせておいて、結局何も決めないまま引き延ばされている」という不満を表しているわけです。
cool as a cucumber
意味
「とても冷静で落ち着いていること・緊張する場面でも動じない様子」を表すイディオムです。どんなにプレッシャーがかかっても、慌てたり取り乱したりせず、ピンチの場面でも平常心でいる様子を表します。
例文
- Despite the chaos around her,she stayed as cool as a cucumber.
周囲がどんなにパニックになっていても、彼女はまるで動じなかった。 - You’d never guess he was nervous,he looked as cool as a cucumber on stage.
彼が緊張してるなんて信じられないくらい、舞台の上では冷静だったよ。
🎬『ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密』での使用例
自然史博物館の新装オープンイベントが開催されており、ベン・スティラー演じるラリーはイベントの責任者として、全員に「余興」や「出し物」の準備ができているか声をかけて回ります。
“Hey Teddy,ready to roll?
テディ、準備はできているか?
それに対して、ロビン・ウィリアムズ演じるテディ・ルーズベルトがこう返します。
“Great. Battle of San Juan Hill,cool as a cucumber.”
気持ちは高ぶっている。でも、冷静さは失っていないよ。
この作品がロビン・ウィリアムズの遺作の1つでもあることから、このセリフは感慨深く響きますね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
これは私自身の英語学習のメモとしてまとめたものですが、少しでも皆さんの学びのヒントになれば嬉しいです。
これからも一緒に楽しく英語を学んでいきましょう!


