みなさん、お疲れさまです。
今回のトピックは、実話を基にしたスリリングな脱出劇・サバイバル劇!
刑務所からの脱獄、収容所からの脱出、そして国境を越える逃亡劇など、世界各地で実際に起こった出来事をもとに描かれた、手に汗握る脱出の物語を集めました。
実話シリーズとしては、ホラー編、トム・ハンクス特集に続いて、今回が3回目となります。
👇過去の記事はこちら。
実話に基づく最恐ホラー10選(心霊・悪霊・悪魔編) | 映画&海外ドラマ紹介(くるみの感想部屋)
信頼と感動の名優トム・ハンクスの実話映画13選! | 映画&海外ドラマ紹介(くるみの感想部屋)
個人的に実話をもとにした作品が大好きなので、今後もどんどん特集していきたいと思っています!
それでは、見ていきましょう!
戦場からの脱出
アメリカ海軍パイロットのディーター・デングラーは、ベトナム戦争中にラオスで撃墜され、過酷な捕虜収容所に送られる。そこには、他にも捕らえられた捕虜達がいた。仲間と共に脱走を計画するデングラーだったが…
監督 | ヴェルナー・ヘルツォーク |
脚本 | ヴェルナー・ヘルツォーク |
プロデューサー | スティーブ・マールトン エルトン・ブランド ハリー・ナップ |
キャスト | クリスチャン・ベイル スティーヴ・ザーン ジェレミー・デイヴィス |
配信 | × |
全身で“生”を演じた、ベイルの狂気と情熱。
「生き延びること」がこんなに過酷で壮絶なんだと、改めて思い知らされる映画でした。中でも一番印象に残ったのは、主人公が敵とまったく言葉が通じない環境にあったこと。言葉が通じないというのは、孤独と恐怖の戦いですね…
でも、この作品の一番のハイライトは、クリスチャン・ベイルの体当たり演技!虫を食べたり、ヘビにかみついたりするようなシーンもあって、しかも一部は実際にやっていたと聞いて驚きました。彼のストイックな役作りは知っていましたが、そこまでやるのかと思うと、さすがとしか言いようがありません。役に対する覚悟というか、本気度が伝わってきて圧倒されました。
ただのサバイバルではなく、人間の意志の強さや、希望を捨てずに生きることの意味を改めて考えさせられる作品でした。
パピヨン
1930年代、主人公アンリ・シャリエールは、無実の罪で有罪判決を受け、南米フランス領ギアナの過酷な刑務所へ送られる。背中の蝶のタトゥーにちなみ「パピヨン」と呼ばれる彼は、自由への強い執念を抱いていた。収監先で出会ったのは、偽造債券の罪で投獄されたドガという男だった…
監督 | フランクリン・J・シャフナー |
原作 | アンリ・シャリエール |
脚本 | ダルトン・トランボ ロレンツォ・センプル・ジュニア |
プロデューサー | ロベール・ドルフマン フランクリン・J・シャフナー |
製作総指揮 | テッド・リッチモンド |
キャスト | スティーブ・マックイーン ダスティン・ホフマン |
配信 | Hulu |
蝶のように羽ばたく彼の背には、友情があった。
看守の残酷な暴力、厳しい懲罰、そして脱獄の希望すらほとんどない環境。それでもパピヨンは、何度捕まっても、何度独房に入れられても脱出を試みます。その不屈の精神こそが、この作品の魅力!
自由を求める物語であると同時に、深い友情の物語でもあります。物静かなドガと、野生的なパピヨンのコントラスト。パピヨンとドガの間に芽生える絆は、信頼という文字が似合う絶妙な距離感です。
壮絶な人生の果てに訪れるラストは、「自由」や「人生」というものを、観る人それぞれに問いかけてくるような余韻の残る最高のシーンとなっています。

私はワニ🐊と戦うシーンが好きです。俳優さんたちのリアクションがリアルでクスっとしちゃいます(笑)
紅海リゾート―奇跡の救出計画—
1980年代初頭、内戦と迫害が続くエチオピアから逃れてきたユダヤ人難民たちが、隣国スーダンの難民キャンプで劣悪な状況に置かれていた。そんな中、イスラエルのモサドは、彼らを秘密裏にイスラエルへと救出する極秘作戦を開始する…
監督 | ギデオン・ラフ |
脚本 | ギデオン・ラフ |
プロデューサー | ギデオン・ラフ アレクサンドラ・ミルチャン アーロン・L・ギルバート |
キャスト | クリス・エヴァンス |
配信 | NETFLIX |
命をかけた偽装リゾートで繰り広げられる奇跡の救出劇。
この作品の面白いところは、工作員たちが偽のリゾートホテルを普通に運営しながら、裏では命がけで人々を助けるミッションに全力を注いでいるところ。その二重生活の中で繰り広げられる、ドキドキハラハラの脱出劇が見どころです。
単なるアクション映画ではなく、緻密な計画や頭脳戦、チームで挑むスパイ映画のような策略や駆け引きが楽しめます。スリリングで感動的な物語です!
また、クリス・エヴァンスが見せる揺るがない正義感と諦めない精神は、まさにキャプテン・アメリカを彷彿とさせます!彼のもうひとつのヒーロー像を見たい人におすすめの一本です。
プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵
舞台は1972年の南アフリカ。アパルトヘイト政策に反対する活動家ジェンキンとリーは、反政府のビラ配布の罪でプリトリア中央刑務所に投獄される。刑期をただ待つのではなく、彼らは自由を勝ち取るために大胆な脱獄計画を立てる…
監督 | フランシス・アナン |
原作 | ティム・ジェンキン |
脚本 | フランシス・アナン L・H・アダムス |
プロデューサー | マーク・ブレイニー ジャッキー・シェパード デヴィッド・バロン ミシェル・クラム ゲイリー・ハミルトン |
キャスト | ダニエル・ラドクリフ |
配信 | U-NEXT |
史上最も地味な脱出が、最もスリリングだった…
この作品もまた、信じられない方法で脱獄を計画しています。監視の目をかいくぐりながら扉の鍵の形をじっくり観察し、木製の鍵を複製。さらに、なんと警備員のすぐ目の前で鍵が使えるかどうか試す緊迫感あふれる脱出劇です。

しかも、たった一つではなく、全部で10本もの鍵を作る必要がある!
最大の見どころは、やはり鍵を試し続ける緊張感あふれるプロセス。激しいアクションや典型的なトンネル掘りもなく、純粋に頭脳と工夫だけで脱出を目指す様子は、本当にスリリングで見応えがあります!
主演はダニエル・ラドクリフ!ヒゲもじゃで頭脳派、ワイルドな風貌は『ハリー・ポッター』シリーズとはまったく違う印象。新たな一面と高い演技力をしっかり感じられる役柄です。
バルーン 奇蹟の脱出飛行
舞台は冷戦下の東ドイツ。2組の家族が、西ドイツへの亡命を果たすため、自作の熱気球で国境を越えようと計画する。秘密裏に材料を集め、人目を避けて気球を製作している間にも、東ドイツの秘密警察が動き出し…
監督 | ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ |
脚本 | キット・ホプキンス ティロ・レーシャイゼン ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ |
プロデューサー | ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ |
キャスト | フリードリヒ・ミュッケ |
配信 | × |
風に乗せたのは、自由への願い。
誰にも疑われることなく、静かに計画を進めなければならず、物語は常にピリピリとした緊張に包まれます。そこから始まるのは、時間との戦い。特に緊張感が走るのは、小さな子どもたちが無意識に秘密をしゃべってしまうのではないかというハラハラ感…
パッチワークで作られた気球はとても美しく、それは単なる脱出手段ではなく、希望、夢の美しさ、そして家族の勇気や決死の覚悟の象徴として神秘的な輝きを放っているように感じました。
“愛する人たちと一緒に生き延びたい”という強い思いが原動力になっている部分がただのスリリングな脱出劇ではなく、感動のドラマになっているのもこの作品の特徴ですね!

頼むから成功してくれ!って、最後の最後まで祈って観ていました(笑)
127時間
2003年、アーロン・ラルストンは、ユタ州の峡谷に一人でハイキングに出掛ける。しかし、狭い峡谷を登っている最中に、大きな岩が落ちてきて腕を挟まれてしまい、身動きが取れなくなってしまう…
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | ダニー・ボイル サイモン・ボーファイ |
プロデューサー | ダニー・ボイル クリスチャン・コルソン ジョン・スミッソン |
キャスト | ジェームズ・フランコ |
配信 | Disney+ |
失われた自由の中でこそ、人は人生を思い出す。
観ているだけで息が詰まるような痛みと迫力がある映画です。登場人物はほぼ一人、場所も動かないのに、まったく飽きさせない演出力がすごいです。映像や編集、音楽が圧倒的にセンスよく、緊張感を最後まで保っています。
そして恐怖、絶望、希望。あらゆる感情をたった一人で表現しきったジェームズ・フランコの演技は圧巻でした。
痛みと苦しみの中でも、希望を捨てない人間のタフさやしぶとさ、そして観終わったあと、自分の人生を振り返り、大切な人たちのことを思い出し、これまでの旅路を見つめ直したくなる…そんな気持ちにさせてくれる作品でした。

脱走・脱出とは少しジャンルがずれるかもしれませんが、サバイバルという大きな枠で入れました…
アルカトラズからの脱出
1960年代初頭、強盗の罪でアルカトラズ刑務所に送られたフランク・モリス。そこは、氷のように冷たい海と強い潮流に囲まれた「脱獄不可能」と呼ばれる難攻不落の刑務所だった…
監督 | ドン・シーゲル |
原作 | J・キャンベル・ブルース |
脚本 | リチャード・タークル |
プロデューサー | ドン・シーゲル |
キャスト | クリント・イーストウッド |
配信 | U-NEXT |
鉄壁の監獄を相手に、冷静な頭脳で挑んだ男たちの物語。
この作品には、銃撃戦や爆発といった派手なシーンは一切ありません。囚人たちが知恵を絞り、冷静に状況を見極めながら脱獄計画を進めていく様子が、淡々と描かれています。
この作品の静かで張り詰めた雰囲気が、クリント・イーストウッドの寡黙でワイルドなキャラクターとよくマッチしていて、全体的にハードボイルドな印象を与えます。多くを語らなくても、放たれる彼の静かなカリスマ性はさすがです。
この映画は、単なる脱獄劇ではなく、自由を奪われることの苦しさ、そして自分にとって大切な何かを失うことの痛みが描かれています。たとえば「絵を描くこと」刑務所という環境ではそれすらも許されない。その喪失感の深さが印象的でした。
ミッドナイト・エクスプレス
1970年、トルコのイスタンブール。アメリカ人の大学生ビリー・ヘイズは、国外へ禁制品を持ち出そうとしたところを空港で逮捕され、過酷な刑務所に収監される。人生を奪われかけた彼は、残された望みをかけて脱出を決意する…
監督 | アラン・パーカー |
原作 | ビリー・ヘイズ |
脚本 | オリバー・ストーン |
プロデューサー | アラン・マーシャル デヴィッド・パットナム |
キャスト | ブラッド・デイビス |
配信 | U-NEXT,NETFLIX |
心を閉ざされた牢獄で魂の脱出劇。
確かに、ビリーは違法行為を犯してしまいますが、その代償として受ける仕打ちはあまりにも過酷。非常にショッキングな内容ではありますが、外国の法制度や刑務所の現実を鋭く描いた点でも評価されています。
特に主演のブラッド・デイヴィスの演技は素晴らしく、追い詰められていく中でも、必死に人間らしさを保とうとする主人公を圧巻の演技で魅せてくれています。
物理的に逃げるだけでなく、「心を閉じ込められること」「尊厳を奪われること」のリアルな恐怖と絶望感が重くのしかかってくる作品です。正直なところ、一般的な知名度はそこまで高くないように思いますが、心に残る一本だと思います。

ちなみにこの作品、あまりにトルコの刑務所や文化をネガティブに描きすぎたとして、トルコ政府から抗議を受けたそうです…その後「描写が一方的すぎた」として謝罪コメントを出しています。
アルゴ
舞台は1979年、イランとアメリカの関係が緊迫していた時代。イラン革命の最中、アメリカ大使館が襲撃され、6人の職員が首都テヘランで身を隠すことになる。彼らを無事に国外へ脱出させるには、極めて大胆で型破りな方法が必要だった…
監督 | ベン・アフレック |
原作 | アントニオ・J・メンデス |
脚本 | クリス・テリオ |
プロデューサー | ベン・アフレック ジョージ・クルーニー グラント・ヘスロヴ |
キャスト | ベン・アフレック |
配信 | U-NEXT,Hulu |
CIAの奇抜な救出作戦、それがまさかの「ハリウッド映画を装って救出に向かう」というアイデア。作戦自体が映画のように信じがたい展開で、フィクション顔負けのリアル脱出劇にワクワクさせられます。
ハリウッドの「裏(製作)の世界」と、CIAの「裏(工作)の世界」が交差する構成がユニークで、娯楽とスパイ活動の融合という不思議な魅力があります。緊張感の中にハリウッド業界への皮肉や風刺が散りばめられていて、洒落たやり取りやブラックユーモアに思わずクスッとしてしまう場面も。
俳優だけじゃない。監督としても優秀すぎるベン・アフレック。『アルゴ』は、そんな彼の才能が炸裂した“間違いない一本”だと思います!

特にラスト15分の手に汗握る展開は圧巻ですよ!
大脱走
舞台は第二次世界大戦中のドイツ軍捕虜収容所。そこに集められたのは、何度も脱走を試みてきた脱走常習犯の連合軍捕虜たち。そして、新たにやって来たアメリカ人パイロットのヴァージル・ヒルツ筆頭に、かつてない規模の集団脱走計画を立て始める…
監督 | ジョン・スタージェス |
原作 | ポール・ブリックヒル |
脚本 | ジェームズ・クラヴェル W・R・バーネット |
プロデューサー | ジョン・スタージェス |
キャスト | スティーブ・マックイーン ジェームズ・ガーナ― リチャード・アッテンボロー |
配信 | U-NEXT |
この作品の最大の特徴は、なんといっても「250人規模の脱走計画」という、他に類を見ないスケールの大きさです。
しかも、それぞれのキャラクターに役割が振り分けられています。身分証や通行許可証を精巧に作り上げる偽造屋、地質を見極めながら、崩落を防ぎつつ掘り進める堀り屋、ドイツ兵の動きを察知し、作業中の仲間に警告を送る見張り屋など、それぞれのスキルが組み合わさることで、巨大なプロジェクトが成り立っている点が大きな見どころですね。
計画の結末は、一言では言い表せない疾走感と哀愁を残しています。それでも諦めない者たちの姿は、挑戦の意義そのものや、人間の誇りと連帯感、さらにはロマンさえも感じてしまうカッコよさがあります。
まとめ
命の危機にさらされながらも、知恵と勇気で過酷な状況を乗り越えた人々の実話をもとにした、脱出&サバイバル映画を10本紹介してきました。
どの作品も、「これ、本当にあった話なの!?」と驚かずにはいられない内容ばかりです。
スリル満点なのに、ただのアクション映画ではなく、人間の強さや希望、仲間との絆がしっかり描かれているのも魅力ですね!「絶対ムリ」と思える状況でも、あきらめずに生き抜いた人たちの物語は、観終わったあとに元気をくれるはず。
ちょっと刺激が欲しいとき、何か心に残る映画が観たいときに、おすすめの作品たちです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!