どんでん返し映画の名作6選|映画通も唸る“古典サスペンス”の傑作集

※アフィリエイト広告を利用しています。

映画

この記事にネタバレは含まれません。

今回は、映画史に名を刻むどんでん返し映画の中から、観れば一気に“映画通”へ近づく古典的名作を厳選しました。

今の作品では味わえない、緻密な構成と濃密な緊張感。そんな“古典サスペンスの極み”を、6本まとめてご紹介します!

テキサスの五人の仲間

時は1896年。大富豪として知られる5人の男たちがある宿屋に集まり、莫大な金を賭けたポーカー勝負を行っていた。するとそこに、旅をしていたある一家が馬車で宿屋に立ち寄る。夫のメレディスは大のギャンブル好きで、見物しているうちに我慢できなくなり、勝負に飛び入り参加することになる。

原題A Big Hand for the Little Lady
制作国アメリカ
公開年1966年
ジャンル西部劇/コメディ
監督フィールダー・クック
脚本シドニー・キャロル
キャストヘンリー・フォンダ
配信U-NEXT

騙し合いの妙が光る痛快ポーカー劇

  • 毎年恒例のこの一大博打は、外部の人間は誰ひとり入れない特別な空間で行われ、数千ドルの運命が一枚のカードで揺れ動く。この張り詰めた空気こそが最大の見どころです。
  • ゲームの細かいルールがわからなくても、「どこまで賭ける?」「次はどう動く?」といった心理戦がとてもドラマチックでドキドキさせてくれます。
  • 悲壮感あるギャンブル映画かと思いきや、ところどころにユーモアが散りばめられているのでシリアスすぎず、軽妙で観やすい雰囲気が魅力です
評価項目評価コメント
どんでん返し度★★★★☆驚愕ではないが、予想外のオチの“ひねり”と“後味”が良い。
テンポ感★★★★☆ギャンブラーたちの会話劇中心でテンポがよく、最後まで軽快。
緊張感・スリル★★★☆☆一世一代の大きな駆けにドキドキ。
総評★★★★☆気軽に楽しめる西部劇×コメディ×どんでん返しの小粋な一本。

情婦

名高い弁護士ウィルフリッド卿は心臓発作から回復したばかりで、医師から“穏やかな案件”以外は禁じられていた。そんな矢先、彼のもとにレナードという男が助けを求めて訪れる。レナードは裕福な未亡人の不審な死に関わる疑惑をかけられていた。そして、頼みの綱は妻クリスチーネの証言だったのだが…

原題Witness for the Prosecution
制作国アメリカ
公開年1957年
ジャンル法廷劇/サスペンス
原作アガサ・クリスティ
監督ビリー・ワイルダー
脚本ビリー・ワイルダー
ハリー・カーニッツ
キャストチャールズ・ロートン
タイロン・パワー
マレーネ・ディートリッヒ
配信U-NEXT

「真実」の在りかをめぐる名作法廷劇

  • ウィルフリッド卿の的確な尋問、検察側との丁々発止のやり取り、そして“あの妻クリスチーネ”の謎めいた態度。一つの事件をめぐり、証言が二転三転し、こちらの予想を次々と裏切る展開が最大の魅力
  • 殺人事件を扱いながらも、ウィルフリッド卿と看護師との掛け合いなど、ワイルダー監督らしい軽妙なユーモアが随所に挿入されているので、重すぎないサスペンスとして楽しめます!
  • 緻密に張り巡らされたアガサ・クリスティのミステリーに、ワイルダー監督の巧みな演出が息を吹き込み、映画史に残るサスペンスの金字塔と称される名作です。
評価項目評価コメント
どんでん返し度★★★★☆何段階にも仕込まれた巧妙なストーリー展開と、最後に一気に覆される圧巻のひっくり返し。
テンポ感★★★★☆言葉の応酬がテンポよく、また証言が出るたびに状況が一変していく展開はスリリングで知的。
緊張感・スリル★★★☆☆キャラクター同士の掛け合いはユーモラスで、緊迫というより、知的な駆け引きの面白さ。
総評★★★★☆法廷劇×ミステリー×コメディが絶妙に融合した、贅沢で満足度の高い名作。

第三の男

第二次世界大戦後、荒廃したウィーンにやって来た作家ホリー・マーティンズ。彼は旧友ハリー・ライムの招きで訪れたはずだったが、到着した瞬間に知らされたのは“ハリーは直前に事故死した”という驚きのニュースだった。周囲の証言を集めていくうちに、“その場にいたはずの第三の男”という謎の存在に行き当たる。

原題The Third Man
制作国イギリス
公開年1949年
ジャンルフィルム・ノワール/ミステリー
原作グレアム・グリーン
監督キャロル・リード
脚本グレアム・グリーン
キャストジョセフ・コットン
オーソン・ウェルズ
アリダ・ヴァリ
配信U-NEXT,Amazonプライム・ビデオ

“ノワールミステリー”の教科書

  • 荒廃したウィーンの街が生む影と光のノワールミステリーモノクロの映像が醸し出す不吉な影と空気感は唯一無二の魅力があります。
  • この物語の核心にあるのは、ハリー・ライムというミステリアスな人物像。彼の死の真相を追ううちに、彼の死に関わった“謎の男”が浮かび上がってくるサスペンス展開も◎。
  • これは“愛”の物語か…それとも“友情”か…答えを提示しない余韻が残るラストシーン。「第三の男」が今も語り継がれるのは、まさにその大胆さと余白の美しさだと感じます。
評価項目評価コメント
どんでん返し度★★☆☆☆派手などんでん返しではないが、物語の軸が変わるタイプ。
テンポ感★★★☆☆舞台設定そのものが不穏な空気をまといつつ、静かにじっくりと進む、その“間”が魅力。
緊張感・スリル★★★☆☆影と謎が絡み合う静かな深いミステリアスな緊張感が漂う。
総評★★★★☆ノワールならではの美学。そのすべてが凝縮された哀愁漂う不朽の名作。

ラピッド・ドッグス

ある日、輸送車を襲撃した4人の強盗たちは、仲間の一人を警官に撃たれ、行き場をなくして追い詰められる。しかし、彼らはその場に居合わせた女性と病気の息子を病院へ連れていこうとしていた父親を人質に取り、自家用車を奪って逃走を図る。

原題Cani arrabbiati/Rabid Dogs
制作国アメリカ/イタリア
公開年1974年
ジャンルクライムスリラー
監督マリオ・バーヴァ
脚本アレッサンドロ・パレンゾ
キャストリカルド・クッチョラ
モーリス・ポリ
ジョージ・イーストマン
配信U-NEXT,FOD,Hulu

密室劇の緊張が車内を満たす“極限サスペンス”

  • ほとんどの場面が“閉ざされた車内”だけで展開するという大胆な構成が最大の魅力。逃走を急ぐ強盗たちの殺気立った声、逃げ場のない密閉空間…その圧迫感が車内を満たす極限のサスペンス・スリラーとなっています。
  • ホラーの巨匠として知られるマリオ・バーヴァ監督が見せるのは、血や怪物ではなくリアルな恐怖居心地の悪さや不快感が抜群です…
  • また、今作は単なる逃走劇に終わらず、最後の最後で“すべての意味が反転する”驚きの事実が待ち受けています。低予算の中で輝くイタリアン・サスペンスの逸品です!
評価項目評価コメント
どんでん返し度★★★★☆最後の不意打ちが強烈で作品の印象を塗り替える。
テンポ感★★★☆☆ほとんどの場面が車内で展開するという構成で単調ではあるが、密室という緊迫感アリ。
緊張感・スリル★★★★★不快感すら感じる緊張感が持続し、ほぼ全編が張りつめている。
総評★★★★☆救いのないイタリアン・スリラーの異端にして完成度の高い一作。

悪魔のような女

病弱な妻クリスティーナと、豪奢な寄宿学校を経営する夫ミシェル、そして夫の愛人でもある教師ニコール。横暴な態度のミシェルに嫌気が差していたクリスティーナとニコールはミシェルを手にかけ、学校のプールに沈めるのだったが…

原題Les Diaboliques
制作国フランス
公開年1955年
ジャンルサスペンス/心理ミステリー
原作ピエール・ボワロー
トーマス・ナルスジャック
監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
脚本アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
キャストヴィラ・クルーゾー
シモーヌ・シニョレ
ポール・ムーリス
配信×

不在の死体が導く古典サスペンスの金字塔

  • この作品の魅力は、クリスティーナとニコールという対照的な二人の女性が手を組むという設定、そして消えた遺体をめぐる不可解な展開にあります。この異質な共犯関係から生まれるいびつな緊張感が、物語への興味を一層かき立てます
  • モノクロ映像の湿気を帯びた質感と、音の少ない静けさの中に潜む凍えるような恐怖は、上品でありながら容赦がないもはやホラーと言って過言ではないほどの緊張感が漂っています。
  • そして何より語り継がれるのは、映画史上屈指とまで言われる衝撃のラスト仕掛けの見事さ、構成の緻密さは、後のスリラー映画に多大な影響を与えているのは間違いありません
評価項目評価コメント
どんでん返し度★★★★★ストーリーの先は読めるかもしれませんが、もし当時観ていたら声が出るほど驚いたはず。
テンポ感★★★☆☆派手さはなく、じわじわ迫るタイプのサスペンス。静的な怖さが特徴。
緊張感・スリル★★★★☆遺体の消失・不可解な現象・精神的追い込みの連鎖で、ずっと胃が重くなるような緊張感。
総評★★★★☆静寂と心理描写で恐怖を創り上げた、究極のサスペンス。
くるみ
くるみ

※ただ残念なことに、2025年現在でも主要な配信サービスでは取り扱いが見当たりません。そんなとき頼りになるのが…宅配レンタルサブスク【TSUTAYA DISCAS】

「悪魔のような女」は、サスペンス映画の魅力がぎゅっと詰まった名作。けれど配信ではなかなか観られないのが現状です。
観たいときに確実に手に取れるTSUTAYAの宅配レンタル。まだ観ていない方は、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

スティング

小さな街で詐欺を働いていた若いコンビ、ジョニーとルーサー。しかし、ある日ルーサーがギャングの報復により、命を奪われてしまう。ジョニーは復讐のため、一流の詐欺師として名を馳せるゴンドーフと手を組み、ギャングの大物ロネガンに対して“大仕掛けの詐欺”を仕掛ける。

原題The Sting
制作国アメリカ
公開年1973年
ジャンルクライム/コメディ/サスペンス
監督ジョージ・ロイ・ヒル
脚本デヴィッド・S・ウォード
キャストポール・ニューマン
ロバート・レッドフォード
配信U-NEXT

騙しと洒落っ気が交差するスタイリッシュな復讐劇

  • 詐欺のプロたちが作り上げる“壮大なインチキの世界”。シリアスさとユーモアが絶妙に混ざり合った犯罪映画でありながら、とても観やすく、最後まで爽快感に満ちています
  • スタイリッシュでお洒落な 1930年代の雰囲気も魅力のひとつ。華やかで軽快な世界観は、ただ眺めているだけでも心地よい時間を味わわせてくれます。
  • そして何よりの見どころが、ラストに待ち受ける豪快で痛快などんでん返し。「そう来るのか!」と誰もが唸る巧妙な脚本と、隙のない洗練された演出が物語を締めくくります。
評価項目評価コメント
どんでん返し度★★★★★スマートで気持ちよく、まさに見事な一杯食わせ。“だまされる快感”を味わえる。
テンポ感★★★★☆緻密な作戦を積み上げていく過程を洒落た1930年代の雰囲気と軽快な音楽で彩る。
緊張感・スリル★★★☆☆復讐劇であるためシリアスな場面もあるが、基本的には楽しい詐欺劇。
総評★★★★★痛快・爽快な犯罪エンターテインメントの最高峰。

まとめ

どんでん返しの名作は、ただ驚かせるだけではなく、観るたびに新しい発見がありますよね。

時代もジャンルも異なる作品ですが、共通しているのは緻密な伏線と心理描写、そしてこちらをハラハラさせるスリル

「スティング」は有名も有名なので、”知られざる”といった感じではありませんが、古典の中では手が出しやすい作品だと思います。

どの作品も、一度観ただけでは気づかない伏線や心理描写も多く、繰り返し楽しめるのも魅力のひとつです。

ぜひその緊張感と驚きの体験を味わってみてください。

タイトルとURLをコピーしました