Netflixアニメ「鬼武者」モデルは三船敏郎!これが渋かっこいい男の生き様か!

Netflix

この記事には、ネタバレが含まれますので、ご注意ください。

前半は神!旅の仲間との絆や裏切り、ド派手で血生臭いアクションなど盛りだくさん!

作品情報

  • 『鬼武者』
  • 総監督 : 三池崇史
  • 監督 : 須貝真也
  • スタントコーディネーター : 辻井啓伺
  • 歴史監修 : 松竹撮影所
  • 音楽 : 遠藤浩二
  • キャラクターデザイン : キム・ジョンギ、マニリン・トレダナ
  • キャスト : 大塚明夫、山根綺、興津和幸、木村昴、小西克幸、木村良平、山下大輝、大塚芳忠、古川慎、関俊彦

『鬼武者』とは、カプコンが2001年に発売した戦国サバイバルアクションゲームである。主役のモデルに実在の俳優を起用するなど話題にもなった遊び心満載の人気ゲームシリーズです。

あらすじ

巌流島での戦いを終えた宮本武蔵は、伝説の剣豪として名を馳せていた。そんな彼に、ある藩から依頼が舞い込む。それは、農民同士の小競り合いを収めに行った伊右衛門という藩の侍が謀反を起こしたため、真意を確かめに行ってほしいというもの。武蔵は、村に行く前にある寺に立ち寄った。それは幻魔を滅し、その魂を吸い取る「鬼の篭手」と呼ばれる禁じられた魔具を借り受けるためだった。

ネタバレなし感想

宮本武蔵、モデルは三船敏郎。これは、見るっきゃない!

鬼武者2をプレイしたことがある筆者はとてもワクワクしておりました。とてもスタイリッシュでグロテスクなアクションに仕上がっています。鬼武者の要素と黒澤明作品のエッセンス、美しいアニメーション、素晴らしい音楽、すべてが混ざり合って異色なファンタジー時代劇となっています!

また、実際に殺陣を撮影し、それをアニメーションへと落とし込むことでリアルで臨場感のある戦闘を演出していることに感動しました…

ゲームをプレイしたことがある方もない方も楽しめるようになっているので、ぜひ観てみてください!

全エピソード(ネタバレあり)

第一話 魔

雪が舞う寺に1人の男と坊主。全ての坊主をのした一人の侍は、名を宮本武蔵という。彼は、寺に”ある物”を借りに来たのだった。寺の和尚は、約束通り倒した人数分の猶予”33日”を武蔵に与える。そして、その日までにその筺を返すように言いつける。その上で、見張り役として、海全という坊主をつけ従わせた。

寺から去った武蔵と海全を待っていたのは、5人の侍。名を平九郎、佐兵衛、五郎丸、松木兼助、弦斎という。この5人の侍は、ある藩で共に剣術を習った同志。佐兵衛は、海全にこの旅の目的を話した。ある村でのいざこざを収めに行った一人の侍”伊右衛門”が謀反を起こし、村に留まっているという。武蔵達は、この伊右衛門の真意を、そして必要あらば討伐を依頼されたのだった。

佐平衛は、その筺には何が入っているのかと聞く。海全は、和尚の雲昇から聞かされているのは、この道具は「人ならざる者を相手にする時に使用する物」だ、ということだけだと話す。

海全は、侍を信用することができず、武蔵は、この中に裏切り者がいるという。そして、松木の腕には目のような妙なマークが残されていた。それは、伊右衛門に拷問され、突き返された間者に残されていたものと同じものだった。松木と武蔵との一騎打ちになり、武蔵の刀を浴びて生き絶えた松木。その瞬間、弦斎の様子が…弦斎もすでに伊右衛門に下り、体を乗っ取られ魔物と化していた。人間ならざる者の力は凄まじく、武蔵でさえも圧倒される。その瞬間、海全が筺からある物を取り出した。それは”鬼の篭手”と呼ばれ、鬼の力を封じ込めた代物。それを受け取った武蔵は、激しい死闘の末、弦斎を滅することに成功。籠手の威力は武蔵でさえも制御できない。

武蔵は残った4人にこう言った。この先、次々と恐ろしい魔物が現れる。戦えない者は去れ、明朝に残った者だけを連れて行くと。みなが残ることを決意した。5人の旅が始まる。

第二話 魅

幻魔に滅ぼされし鬼の一族、幻魔を倒し、その魂をその籠手に封じる事。それが武蔵の使命。

武蔵達はようやく村に到着。かまどや囲炉裏の匂いがなく、争った形跡そして屍臭も…家を探索していると、1人の少女が武蔵達を見ていた。娘を追うと家の中に横たわる2人の腐敗した遺体を見つけた。彼らは、娘の祖父と祖母だった。娘の名前はさよと言う。飯を与えていると、森から魔物と化した村人達が襲ってきた。数が多くキリがない。鷹匠の五郎丸は次郎丸と太郎丸を呼び出し応戦。武蔵も籠手を使用し、他の者が逃げる時間を稼ぐ。

さよを囮に魔物を挑発し、武蔵の方へおびき寄せ、家の中へ誘導する。樽にたんまり入れた火薬、そして、そこに炎を注ぎ大爆発を起こし、全ての幻魔を滅する。

さよの話によると、奥の山から金が出た。村は大騒ぎだ。村人達は殿様に知らせることにした。そこで偵察にやって来たのが伊右衛門だった。金を目の当たりにした伊右衛門は裏切るのだった。武蔵達は、村の仇を討つため、伊右衛門の居城を目指して進む。

第三話 魔

険しい山道を行く武蔵一行。あまりの険しさに皆は休憩を決める。海全は、思いの外侍とは弱い者だと呆れている。さよが捕まえた兎と薬草で腹ごしらえをした皆は正気を取り戻した。前回の戦いで負傷した鷹の太郎丸を労う次郎丸。五郎丸は、二羽を兄弟として育てた。自分や伊右衛門達のように…

川でひと休憩をしていると、海全が武蔵に問うた。もし、娘の知人が操られていたら斬るかと。鬼にでもなるしかない。武蔵はそう返した。すると、さよがある異変に気づく。我らが歩いて来た道は上流に出る道ではなかったはずだという。森の形が違うのだと。その途端、魔物達が襲ってきた。奴らは、木を引っこ抜き、森の形を変え、武蔵達をここに誘き出したのだ。

どうにか全ての化け物を退治したが、遠くから飛んできた一本の槍に五郎丸が貫かれる。五郎丸を庇った次郎丸も息絶えてしまう。そして、その混乱に乗じて、さよが拐われてしまう。謎の声は言った。娘を返してほしくば、明朝この上流にある山寺へ来いと。隙をつかれたことを悔いる皆。五郎丸を一撃で仕留め、声は冷たく只者ではない。あの声はどこか馴れ馴れしく語って来た。武蔵も聞き覚えのある声だと語った。

海全は、我らの目的通り伊右衛門の元へ進むべきだと言う。彼の役目は、鬼の籠手を回収することでそれ以外のことには興味はない。さよを見殺しにするのかと激怒する平九郎は、海全に掴みかかった。しかし武蔵は、落ち着いていた。困っている人を見捨てるのが仏の教えなのかと海全を諭す。

謎の三人衆は、捕えられたさよに言った。武蔵の腕を切り、足を切り、仕上げに舌を切る。そして、依頼人のところに連れて行く。そんな寸法だと。

そして、明日の明朝お前は死ぬのだと…

第四話 魅

武蔵達は寺へ出向いた。そこで待っていたのは、さよを攫った三人衆だ。その正体は、武蔵が過去に打ち取った吉岡三兄弟だった。彼らもまた、伊右衛門の手により生き返った魔物。魔の力と鬼の力、実力は伯仲。しかし、武蔵は魔物と化した三兄弟に苦戦していた。多勢に無勢、武蔵は痛手を負う。

そんな中、さよは大きな鐘の中に閉じ込められていた。吉岡三兄弟は、その鐘に油を塗り火を灯した。燃え上がる炎。急ぎ救出しなければ、さよの命はない。佐兵衛、平九郎そして海全はテコの原理を利用して救出を試みる。その時、鐘の中からさよの読経の声が…海全もそれに呼応。なんと、炎に包まれた鐘を自らの手で押し始めた。体中が炎に包まれる海全。そして、渾身の力で鐘をひっくり返したのだ。

その様子に気を取られた吉岡三兄弟。その瞬間、武蔵は鬼の力を借り立ち上がる。佐兵衛と次郎丸の助太刀もあり、なんとか吉岡三兄弟を倒した武蔵。しかし、武蔵は鬼の力に乗っ取られていた。目は赤く虚で徘徊を始めた。海全は、最後の力を振り絞り、武蔵の元へ行く。鬼の力を得たとて、鬼になってはならないと武蔵を抑え込むのだった。

「お前のせいではない。お前の料理は寺よりずっと美味かった…本当に…」

海全は、さよにそう告げ、息を引き取った。そして、さよも共に旅を続けることを望む。

第五話 魄

旅の途中、見知らぬ3人の女達が現れ武蔵に襲い掛かかった。吉岡三姉妹と名乗るその三人衆は、さよの持っていた籠手を狙った。必死に籠手を守り抜いたが、さよが傷を負い、熱を出してしまう。皆は小屋で休憩することにした。

過去回想

炎に包まれる村、そこに佇む1人の少年。焼け落ちた家から刀を盗み出そうとしたところを松木兼介に見つかる。彼は、その刀は私の弟子”伊右衛門”のものだと言う。そして、少年を弟子として迎えた。松木は、この少年の刀への執着、闘争心を買ったのだった。

伊右衛門は言う。金は欲望そのもの、幻魔は力、この2つを用いて世をいいように作り変えることができると。この面白さを、苦楽を共にし、修行をした唯一の家族である平九郎達と共感し合えると考えていた。

佐兵衛は、さよの熱を覚ますために、森へ薬草を取りに行った。

平九郎はというと、共に学んだ者達と自分を比べ、いかに自分が役立たずなのか自問していた。

「こんなところで死ぬのは嫌だ!」

「勝てるはずがない」

逃げ出した平九郎の前を佐兵衛が通り掛かる。その傍には五郎丸や海全の亡霊のような姿が…佐兵衛は、平九郎にお気をつけてと一言残し、去って行った。平九郎は、彼らの声を聞いた気がした。信じておりますぞ、という声を…彼らの死を無駄にはしない。平九郎はそう心に決め、自分を奮い立たせた。ここに逃げないことを誓う。

そしてまた、さよも悩んでいた。実は、あの金を最初に持ち帰ったのは、彼女だったのだ。自分が山へ行かなければ。そして、道に迷わなければこんなことにはならなかったかもしれないと自責の念に駆られていた。武蔵は言う。お前だけのせいではない、お前は最初の石だけ背負って行け。その他は我々が背負うと。

再び現れた吉岡三姉妹を一撃で仕留めた武蔵達は、先へ進む。

第六話 鬼

ついに、伊右衛門の黄金城へたどり着いた武蔵一行。彼らを迎えたのは、執事の或触奴(アルフレッド)だった。佐兵衛はアルフレッドにこう言った。この金はそもそも藩のもの、速やかに返納するようにと。この居城は、伊右衛門の智謀と幻魔の力が合わされた最強の城。幕府はおろか、西洋の軍隊が攻め込んで来ても負けることはない。幻魔の大軍勢が味方し、秘術にて死人を蘇らせることもできるからだ。そこで、アルフレッドは武蔵達に仲間になるように打診する。しかし武蔵一行はこれを拒否、交渉は決裂。その瞬間、騎馬が彼らを襲う。騎馬の弓とアルフレッドの鉄砲に苦戦する武蔵達。その時、平九郎が動いた。刀を抜くと粉が満ちた。調合を重ねた幻覚剤、そこに血を注ぐことで薬は完成する。薬を吸い込んだアルフレッド達はたちまち幻覚に陥る。そこを武蔵が仕留めた。鬼の籠手を使うことで武蔵の体力は消耗していく。限界も近い。

ふと気がつくと、すぐそばにさよの両親の姿があった。さよは嬉しさのあまり2人に抱きつくが、彼らは突然さよに掴みかかり、首を締め始めた。さよの両親は、自我は残っているが体の自由が奪われていた。彼らから殺してくれと懇願された武蔵は、彼らの首を落とした。さよや佐兵衛の静止の声を聞きながらも…

第七話 魁

過去回想

元服の儀を行い、正式に”伊右衛門”となった少年。刀も名も自分のものにした伊右衛門は修行に励んだ。彼は、自分が侍になりながらもこの世にいる侍は、皆殺しにすべきだと考えていた。

ついに武蔵一行の前に姿を現した伊右衛門。さよの親を殺め、心も鬼となった武蔵。娘の元にも、藩にも戻れぬ身、伊右衛門はそんな彼に共に来いと語りかける。幻魔の力で徳川幕府と戦い、新しい世を作るのだと。武蔵はくだらないと一刀両断。

その時、ある人物が足を踏み入れた。巌流島の戦いで武蔵が討ち取った佐々木小次郎だった。伊右衛門は、小次郎に武蔵の両腕を切れと命令した。その瞬間、小次郎は命令に背き、伊右衛門の腕と脚を斬り落とした。その隙に佐兵衛は、さよを連れて逃げた。

「巌流島の続きを始めるぞ、武蔵」

武蔵と小次郎の死闘が始まる。

第捌話 魂

過去回想

戦略シミュレーションを行う伊右衛門達。佐兵衛は知略に富み、戦略を立てるのが得意だった。佐兵衛の勝利に終わったが、次は勝つと誓う伊右衛門であった。

小次郎は魔剣燕嵐、秘技燕飛沫を繰り出し幻魔と化した村人や百姓達を蹴散らした。そして、武蔵には燕落としを繰り出した。

「鬼と化け物のただの暇つぶしだ」

武蔵はこの戦いをそう評した。小次郎はこの言葉に怒り、ついに背中に背負っていた刀を取り出した。

一方、この城から脱出するために歩いていた佐兵衛とさよ。奥に続く道の途中で大量の血を見た佐兵衛は、その先に伊右衛門がいることを悟る。伊右衛門は、自分が生き残るために自らを幻魔とするよう佐兵衛に頼んだ。佐兵衛は、伊右衛門の頼みを聞くと見せかけ、彼を殺害。佐兵衛は、藩から金山のことを知るものを皆屠れという命を受けていた。しかし、すでに皆旅の途中で命を奪われ、今の武蔵を葬るのは不可能と判断した佐兵衛は、任務を放棄。さよと別れ、一人歩き出した。

武蔵は、小次郎を封じるため鬼の力を全開にした。髪は伸び、青白い炎に包まれ、瞳は赤くなっていた。死闘を繰り広げる中、さよが割って入った。さよは、武蔵は鬼ではないと言った。両親の最期が人でいられたのも武蔵のおかげだと。その言葉を聞いた武蔵は、人間の姿へ戻った。そして、人間として、最後の戦いに赴くのだった。

太郎丸の案内で村に戻ったさよは、持ち帰った金を宿屋に渡し世話になることにした。その顔は、どこか誇らしく、前を向いて進んでいく者の目をしていた。

そして、寺の前には籠手が置かれていた。

ネタバレあり感想

鬼武者をプレイしたことがある方は、一話目から釘付けだったのではないですか!画面が切り替わる際にカシャンと言う音ありましたよね!?これは、ゲームでボタン選択するときに流れる音!この音が聞こえた瞬間に懐かしさが溢れました!

黒澤明作品のオマージュらしき部分も多々ありましたね。今回は復讐という立場ですが、仲間で行動する様はどこか七人の侍もあります。そして、勝気なさよのポジションは、隠し砦の三悪人の雪姫っぽさもありました。

個人的なお気に入りキャラは海全です。籠手を守り、持ち帰ること。それが彼の唯一の目的。そんな様子から冷たい印象を受ける彼でしたが、まさに彼の死に際がこの作品のクライマックスではないかと思います。名シーンと言っても過言ではない!一番胸が熱くなった瞬間でした!

一つ不満点を挙げるとすると、伊右衛門の目的がどうにもピンとこず、また松木様が賛同する納得の理由もないため、後半がなんとなく唐突だったように感じました。また、佐兵衛だけは良心でいてほしかった(笑)

前半見せ場の多いシリアスな時代劇調後半コミカルでおふざけ気味なダークファンタジーとでも言いましょうか。どうにもこの落差について行けなかった部分はありました。

最後に

正直言うと、大塚明夫さん演じる武蔵の渋さを観るだけでも価値があります!他にも松木殿に大塚芳忠さん、佐々木小次郎に関俊彦さんを起用する豪華さ!また、五郎丸を演じた木村昴さんの器用さにも驚きました!

美麗なアニメーション、幻魔や鬼などのおどろおどろしい世界観と時代劇のマッチングゲームを知らなくても楽しめる内容になっているので、気になった方は、ぜひ一度観てみることをおすすめしますよ!!

鬼武者 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
魂を吸い取る鬼の篭手を手にした伝説の剣豪は、互いに固いきずなで結ばれた数人の侍とともに討伐の旅に出る。果たして、血に飢えた幻魔たちの乱を鎮めることはできるのか。
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