映画『ゴジラ-1.0』最強、そして最恐ゴジラ爆誕!?これが私の観たかったゴジラだ!

映画

結論から言うと、めちゃくちゃ面白かったです!!!!

この記事は、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

スコア : ⭐️⭐️⭐️⭐️

映画情報

  • 『ゴジラ-1.0』
  • 監督・脚本・VFX : 山崎貴
  • 出演者 : 神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤さくら、佐々木蔵之介

あらすじ

舞台は、戦後真っ只中の日本。人々は戦渦と化し、焼け野原になった東京の街の復興に追われていた。敷島は、戦争で全てを失い、また、自らの勤めを果たせなかったことに後悔の念を抱いていた。そんなある日、正体不明の巨大な生物が東京に迫っているという情報が入る。それはまさに、敷島が戦時中に出会った悪夢の再来であった…

ネタバレなし感想

ゴジラは好きでも山崎貴監督は初めまして。

私は山崎貴監督の作品を一つも観たことがありません…なので、とても新鮮な気持ちで観ることができました。

今作を観て、山崎貴監督の他の作品も観てみたいと思うくらいにどハマりしています

ゴジラの造形、ハリウッドと肩を並べてもおかしくないほどのCG技術に映像美。正直、驚きを隠せませんでした… 日本もここまできたのかと…(正直なめていました🙇‍♀️)破壊描写なども容赦なく、ここまでくると絶望感が気持ちよく感じてしまうほど、ゴジラさんどこまでも追い詰めてきます。

また、人間ドラマパートに関しても楽しめました。日本ゴジラもハリウッドゴジラも、基本的には人間パートが長いなと感じてしまう怪獣プロレスが好きな私。ですが、今回の『ゴジラ-1.0』は人間パートにも感情移入することができました。そして、まさかの落涙(笑)ゴジラ作品で涙したのは初めて。

個人的には、映画館に走り込んで観た価値が十分にあった作品です。映画館でしか味わえない迫力、生きろ!と言う強いメッセージ。ゴジラの恐ろしさに慄き、かっこよさに心躍らせ、そして人間のしぶとさや強さ、思いやりに涙する。ゴジラを知らない方も、映画をあまり観ないという方にもとても観やすく、そして、なにより私の観たかった王道の”ゴジラ”作品だったように感じました!

ストーリー全容

1945年、第二次世界大戦末期の大戸島。戦闘機のパイロットである敷島は、守備隊基地に着陸する。戦闘機には、敷島の言う故障は見受けられなかった。その夜、敷島はいくつもの深海魚の亡骸を確認する。そこには、大戸島の伝説で「ゴジラ」と呼ばれている生物が… 整備班のリーダーである橘は、敷島に20mm機銃でゴジラを撃つように頼むが、敷島は怖気付き、撃つことができない。恐竜のような姿をしたその生物は、次々と整備士達を襲い、生き残ったのは橘と敷島だけに…

敷島は東京へ戻るが、戦禍となり見る影もなくなった家、そして両親をも失ったことを知る。隣人の澄子は、3人の子供を空襲で亡くし、戦争もとい軍人達のせいで罪のない子供達が犠牲となったと敷島を罵り、冷たい態度を取る。

そんなある日、敷島は赤ん坊を連れた典子と出会う。この赤ん坊は典子が空襲の最中、見知らぬ母親から託された赤の他人であるが、見捨てることができずに面倒を見ていた。典子と赤ん坊のアキコは、敷島の家に居候として住み着くようになる。そんな生活を隣で見ていた澄子は、貴重な米をあきこのために使えと分け与える。

苦しい生活を強いられる中、敷島は新しい仕事に就く。それは、戦時中に設置された磁気式機雷の撤去だった。命を失う可能性もある危険な仕事に典子は反対するが、敷島は必ず死ぬわけではないと説得。掃海艇「新生丸」の乗組員として配属された敷島はそこで、船長の秋津、元技術士官である野田、若手の水島と出会う。この仕事は、磁気式機雷を海底に繋いでいる鎖を切り、浮かび上がってきた機雷を30mm機銃で撃って爆破するというもの。敷島は、見事に機雷を爆破し、戦闘機のパイロットとしての腕を見せる。豊かな生活になるとともに、典子とアキコは敷島にとって家族のような存在となっていく。しかし、いつまでも敷島の世話になれないと言う典子は、銀座で仕事を始める。

そんな中、ビキニ諸島でアメリカ合衆国によるクロスロード作戦が行われる。クロスロード作戦は1945年7月に行われた原子爆弾の実験。その中には、アメリカが日本から接収した戦艦「長門」も含まれた。実験の最中、ゴジラも被曝してしまい、それによって巨大化してしまう。

駆逐艦ランカスターや潜水艦レッドフィッシュがゴジラに襲われる中、ゴジラの背びれの写真を撮ることに成功。アメリカは、ソビエト連邦との関係悪化による対処で動けないため、一部の戦艦を返還、日本政府自ら対処するよう通達する。

白羽の矢が立ったのは、敷島が乗る「新生丸」だった。日本の重巡洋艦「高雄」が到着するまでの時間稼ぎとして、足止めの任務を課せられる。深海魚が浮かび上がり、ゴジラが近くにいることを察知した敷島達は、ゴジラに立ち向かうため攻撃体制に入る。しかし、ゴジラには機関銃も機雷も通じない。そこで、口の中に機雷を投入し、内側からの攻撃を仕掛けた。しかし、再生能力により復活、敷島達は絶体絶命だ。その時、「高雄」が到着、主砲により対抗するが、ゴジラの熱線により「高雄」は壊滅、ゴジラはそのまま姿を消した。このことを政府は国民に告げることもせず、避難勧告も出さなかった。

先の戦いで怪我をして病院に運ばれた敷島は退院した後、家でアキコと過ごしていた。しかし、ゴジラが銀座の街に現れたことを知る。銀座には典子が働きに出ていた。電車に乗っている最中にゴジラに襲われた典子は、池に飛び込み、命からがら逃げ出した。しかし、ゴジラの姿はすぐ近くに…典子は恐れからか、トラウマからか、動けなくなってしまう。そこへ敷島が現れ、「死んではいけない」と典子を支え、一緒に逃げる。しかしその瞬間、ゴジラの熱線が放たれた。とてつもない爆発と爆風から敷島を庇い、典子は吹き飛ばされてしまう。街を根こそぎ持っていったゴジラの熱線、降り注ぐ黒い雨、叫ぶ敷島。

典子の葬式に呆然と失意の敷島だったが、野田から「民間による対ゴジラ作戦」があることを聞かされ、巨大生物對策説明会に参加した。そこで、野田から「ワダツミ作戦」を立案した旨を聞く。この作戦は、大量のフロンガスを注入したボンベをゴジラに括り付けて噴出し、一気に深海1500mの地点まで沈めることで、水圧によりゴジラにダメージを与えるというものだった。失敗した場合には、海底から急激に引き上げ、減圧で息の根を止めるという第二作戦も考えられていた。敷島は、この作戦の誘導として、局地戦闘機「震電」を操縦するパイロットとして従事することになる。しかし、この「震電」には整備が必要だった。橘の助けが必要だと考えた敷島は、なんとか彼を見つけ出し、説得を試みる。敷島も橘も、あの時からずっと自らの戦争を続けていた。戦争を終わらせるため、そして未来を生きる大事な人のための戦いに赴く敷島の覚悟を見た橘は、これを了承、修理を施した。典子の写真を操縦席に置き、離陸した敷島。一足早くゴジラが地上に現れたため、敷島が海までゴジラを誘導。そして、「ワダツミ作戦」が決行された。ゴジラを海に沈めることには成功したが、それだけではやはりゴジラの息の根を止めることは不可能。次の作戦へ移行し、浮上を試みるが、ゴジラが袋を破いたことで途中で止まってしまった。もうダメかと思われたが、水島が近隣の漁船を引き連れやってきた。大量の船でゴジラを引き上げることができたが、それでもゴジラは生きていた。途中で止まってしまっために、減圧が足りなかったのだ。ゴジラが熱線を吐こうとしたその瞬間、敷島の乗る「震電」がゴジラの口に突撃、搭載していた爆弾とゴジラの熱線が混じり大爆発を起こす。ゴジラの体は崩れ落ち、海に沈んでいった。敷島は、パラシュートで脱出。これは、橘が敷島に”生きて帰れ”と備え付けたものだった。

みんながゴジラをやっつけたと喜ぶ中、澄子がアキコを抱いて走ってきた。手には電報が…その電報には、典子が生きており、病院にいることが書かれていた。敷島はアキコを抱き、病院に走った。そして、奇跡の再会を喜ぶ。そんな幸せな家族の姿、しかし典子の首にはあざのようなものが…そして、海の中で体が再生していくゴジラの一部…そこで幕は閉じる。

ネタバレあり感想

ゴジラ

上映開始早々、ゴジラが姿を見せるのには驚きました!その時点で、いきなり登場か!とのめり込んでいました。そして、その姿はまさに恐竜。次々と人間たちをパックンチョ(飲み込んではいない)

あれ!?ジュラシックパークじゃん!とみなさん思ったはず笑

呉爾羅が被爆したことによって生まれたゴジラ。海上での戦闘はドキドキハラハラ!木製の船であそこまでやり合えたのは奇跡!小さい船で圧倒的な敵に立ち向かうこの構造がもうすでに、私の中では胸高鳴り、心躍るシチュエーションなのです。それから、船を飲み込もうと追いかける姿が本来のモデルとなったクジラにも見えて、恐ろしくもどこか楽しく観られました。海面から顔だけを出して追いかけてくるゴジラさんが可愛く見えてくる不思議

そしてその後、「高雄」との戦闘で、初めての熱線攻撃。威力描写は、過去一で凄まじいものだったのではないでしょうか。熱線で爆破、その衝撃波で周りまで巻き込み破壊する。おそらく光線を吐いたのは二度だったと記憶しています。数少ないシーンであったにも関わらず、恐ろしく恐怖としてのインパクトを残しています。

銀座上陸

そして、ゴジラは銀座へ上陸。ビルの屋上で実況中継しているシーンは、54年版のオマージュでしょうか。でもあまりに近すぎて、おい逃げろ!とツッコみたくなりました笑

ゴジラに襲われた典子、デッドレコニングさながらの脱出劇を見せます。そして助かったのも束の間、ゴジラの熱線による爆風で吹き飛ばされ亡くなる典子。このシーンは、原爆を想起させましたね…言葉を失うほどの圧倒的なパワー、恐ろしさに息を呑みました…それと同時に、典子が敷島を庇う瞬間…このスローモーションが私にこの後の敷島のことを考えさせました。

お前はまた、失うのかああああああああ😭😭😭

どこまで敷島をいじめるの?と監督とスタッフさんたちの鬼畜ぶりに開いた口が塞がらない…黒い雨の中絶叫する敷島、衝撃的なシーンでした…このシーンの神木隆之介さんの目、憎しみへと変わる表情が印象的でした。

ワダツミ作戦

地味な作戦ではあるのですが、その地味さが好きでした。武装解除され戦力のない戦後の日本、そして政府は背を向け混乱を煽るばかり。そんな中で、今出来ることを必死で遂行しようとする人々の姿。しかし、ゴジラの熱線を前に怖気付く。そんな中で、田中美央さん演じる堀田艦長が、

「ワダツミ作戦、開始!」

からの伊福部昭さんの「ダダダン ダダダン」が流れた瞬間、

キタアアアアアアア!!

私の中のボルテージはマックスに…心の中ではガッツポーズをしていました。そして、ワダツミ作戦は失敗かと思われた次の瞬間、水島がたくさんの漁船を連れてやってくるシーンは、めっっっっちゃ胸熱でした!そして、総動員でゴジラを引き上げる。ここは、さながらワイルドスピードのスーパーコンボか!と思いました笑

人々が兵器に頼らず、科学や知識、そして、今ある物だけで結束し、対抗しようとする姿が胸熱なのです。

ラストシーン

病室に駆けつけた敷島とアキコ、感動の再会を喜ぶ中、カメラはなぜか典子の首へとズームアップする。髪に紛れて黒いあざのようなものが…そしてゴジラの復活が示される。

ゴジラは不滅という終わり方、バッドエンドだと思われますが、嬉しいと思ってしまうのはゴジラ好きの運命かな笑

そうなんだよ、ゴジラは終わらないんだよ…

人間ドラマ

今作はタイトルをゴジラとしつつも、主人公は神木隆之介さん演じる敷島。彼の抱える闇は、まさに悪夢。特攻隊のパイロットとして従軍するも逃げ出し、自分が怖気付いたことで周りの人々が犠牲になり、戻っても両親は空襲により亡くなり、誰も帰還を喜んでくれる人はいない。どれだけ上乗せしていくんだと心苦しい…向き合うべきは、ゴジラであり自分自身でもあるという王道の主人公成長型ストーリー。とても見応えがあり、ずっしりとした人間ドラマになっていたと思います。

俺の戦争は、まだ終わっていない

この台詞を聞いた時、ランボーがよぎりました。私などでは想像できないほどの罪悪感や恐怖に苛まれる敷島。映画を観ていれば、もちろん敷島の苦しみは伝わるのですが、この台詞があったことで私はさらに、ハッとさせられました

また、俳優陣の大袈裟な演技は、好き嫌いが分かれそうではあります。ただ個人的には、人間臭いドラマ、必死に泥臭く生きている人間達を描いている中で、大袈裟な言い回しや演技が逆に輝き、癖になっていくような感覚もありました。すべての演出にどこか懐かしさがあって、いつぞやに観たことがあるような、でも今となってはみんな恥ずかしくてやらない演出、でもそれがダサかっこいい。映画でもあり、今現在目の前で実際に起きている出来事を見ているような。さながら舞台を観ているような感覚でした。

お気に入りのシーンは、船に乗せてくださいと言う水島を背に秋津と野田が去っていくシーンここは、未来を担う若者を犠牲にはすまいという意志と、後は頼んだと未来を託すかっこよさがありましたね!また、涙を堪えるような山田裕貴さんの演技でもうるうるしてしまいました。こういう泥臭い、でも熱い演出が個人的にハマったのだろうなと思います

最後に

今作は「戦争」を想起させる内容となっています。しかし、子供も観る作品でもあるため、描写は控えめです。それが、個人的にはとてもいいバランスだったように感じました。攻めすぎず、でもしっかり伝えたいことは伝わってきました

ゴジラ作品が初めての方でも楽しめる作品です。予備知識も必要なく、そのまま映画館に走り込んでもまったく問題ありません!ぜひ、映画館に足を運んでいただきたい作品です!

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト
2023年11月3日(金・祝)公開 監督・脚本・VFX:山崎貴
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