英語には、体の部位を使ったイディオムがたくさんあります。今回は、その中でも、あまり聞きなれない体の部位イディオムを集めてみました。
それでは、実際の意味・使い方・ニュアンスをわかりやすく紹介しながら、ネイティブがリアルに使うフレーズを映画のセリフの中から一緒に見ていきましょう!
映画やアニメを教材にできる英語学習サービス「EEvideo」
・無料で視聴できる動画あり
・英語字幕、日本語訳、スラッシュリーディング対応
・スマホ・PC・タブレットで利用可能
・有料版:30日見放題プラン 1,000円(※キャンペーン中は500円)
【All ears】
意味
熱心に聞く・耳を傾けるという意味のイディオム。
誰かの話を「興味津々で聞く」時に使う表現です。「ちゃんと聞いてるよ!」というニュアンスを出すときにも使われます。
例文
- Tell me what happened,I’m all ears!
何があったの?聞かせて、私は全部聞くよ! - The students were all ears during the teacher’s story.
先生の話の間、生徒たちは熱心に耳を傾けていた。
🎬『プリデスティネーション』での使用例
バーで、イーサン・ホーク演じるバーテンダーと、サラ・スヌーク演じるジョンが会話している場面。ジョンが「ジョークを言ってみろ」と促す場面で、バーテンダーは少し照れくさそうに言います。
“I’ve got one,but it’s not very funny.”
ジョークはあるけど、あんまり面白くないんだ。
それに対してジョンが軽く笑って、挑発的にこう返します。
“I’m all ears.”
言ってみろよ。
直訳すると「私は耳だらけだ」ですが、「聞く準備はできてるよ」「さあ聞かせてくれ」という意味になります。
【In the blink of an eye】
意味
あっという間に・瞬く間にという意味のイディオム。
「まばたきする間に」という文字通りのイメージで、非常に短い時間で何かが起こるときに使います。
例文
- The car disappeared in the blink of an eye.
その車はあっという間に消えてしまった。 - Kids grow up in the blink of an eye.
子どもはあっという間に大きくなるね。
🎬『ホビット 思いがけない冒険』での使用例
マーティン・フリーマン演じるビルボ・バギンズが、ドワーフたちの危険な旅に同行する前に「契約書」のようなものを読み上げる場面があります。
契約書には、旅で起こりうる数々の危険が列挙されており、
その中に「ドラゴンの攻撃により命を失う危険」が書かれています。
その時、陽気なドワーフの一人、ボフールが軽い調子でこう言うんです。
“Oh aye,I melt the flesh off your bones in the blink of an eye.”
そうそう、ドラゴンの炎に当たったら、一瞬で骨まで溶けるんだぜ。
この表現は、まさに「まばたきする間に=一瞬で」という直感的な怖さを伝えていますね。

怖い内容なのに、ボフールはそれをユーモア混じりに語るんですよね(笑)
【A pain in the neck】
意味
厄介な人・面倒なことという意味を持つイディオム。
「首の痛み」という比喩で、「うんざりするほど面倒な存在」という意味になります。人にも物事にも使えます。
例文
- My neighbor is such a pain in the neck.
隣の人は本当に厄介なんだよね。 - The paperwork is a pain in the neck.
書類作業ってほんと面倒だ。
🎬『ガーフィールド2』での使用例
ガーフィールドは相棒の犬・オーディーとイギリス旅の途中、お城を相続した上品な猫・プリンスと出会い、そっくりな二匹は、周囲の勘違いで入れ替わってしまいます。
お城の動物たちは、“王子(=実はガーフィールド)”のわがままに手を焼きつつも、「守らなきゃ」と話し合います。そのときに登場するのがこのセリフ。
“I know he’s a pain in the neck but we just got to keep him safe till Monday.”
慌てるな、分かってる。手がかかる奴だが、月曜まではどうしても安全にしておかなきゃ。
直訳すると「首の痛み」ですが、口語では 「面倒なやつ」「厄介なこと」 の意味で使われます。
🔽もっと実践的なセリフをEEvideoで!
【Hit the nail on the head】
意味
的を射る・核心を突くという意味のイディオム。
意見や指摘などが「まさに正確」「まったくその通り」な時に使います。
例文
- You hit the nail on the head with that comment.
そのコメント、まさに的を射てるね。 - Her analysis really hit the nail on the head.
彼女の分析は本当に核心を突いていた。
🎬『グランド・ブダペスト・ホテル』での使用例
レイフ・ファインズ演じるグスタヴがある容疑で刑務所に収監される過程で、彼は囚人仲間たちと脱獄計画を立てる場面があります。
しかし、刑務所の壁は厚く、計画の遂行には最短でも6か月はかかる見込み。その間に仲間が処刑されてしまう可能性を指摘したグスタヴに対し、囚人仲間の一人がこう言います。
“You hit the nail on the head,Mr.Gustav.”
あんた、いいところを突くじゃないか。
釘の頭をピンポイントで打ち抜く様子から、「的を射た」「図星」という比喩になっています。ここではグスタヴの指摘がまさに的を射ていたため、囚人仲間が感心してこのフレーズを使っています。
【Keep your nose out of something】
意味
首を突っ込むな・干渉するなという意味のイディオム。
鼻を他人のことに突っ込む=お節介・干渉する、というイメージ。強めに「放っておいて!」と言いたい時に使われます。
例文
- Keep your nose out of my business!
私のことに首を突っ込まないで! - He always keeps his nose in other people’s affairs.
彼はいつも他人のことに口を出してくる。
🎬『ロード・オブ・ザ・リング:旅の仲間』での使用例
イライジャ・ウッド演じるフロド・バギンズがシャイアの酒場でサムの父親であるギャファーと会話をする場面があります。そこで、ギャファーがフロドにこう語りかけます。
“Well,it’s none of our concern what goes on beyond our borders.Keep your nose out of trouble,and no trouble’ll come to you.”
ま、わしらの国境の外で何が起ころうと、わしらの知ったことじゃない。トラブルに首を突っ込まなければ、トラブルも寄ってこんさ。
このセリフは、ある意味で、これからフロドが体験する壮大で過酷な冒険を予期させます。

※このセリフが確認できるのは、エクステンデッド・エディションになります。
【Follow your nose】
意味
直感に従う・感覚で進むという意味のイディオム。
「鼻が導くままに進む」というイメージ。道を探すときや人生の選択で「勘に従う」意味になります。
例文
- Don’t overthink it,just follow your nose.
考えすぎないで、自分の直感に従いなよ。 - We didn’t use a map,we just followed our noses.
地図は使わず、勘で進んだんだ。
🎬『Ray/レイ』での使用例
レイとバンド仲間たちが車で移動している途中、道中で立ち寄る場面があります。車を降りた仲間のひとりが「腹が減った」とぼやくと、別の仲間が冗談めかしてこう答えます。
“Follow your nose,right over there.”
においをたどれ。
この場面では「自分の勘を信じて行動する」「思うままに進む」といった比喩的な表現ではなく、「匂いを頼りに行けば食べ物が見つかるさ」というそのままの意味で使われていますね。
【Face the music】
意味
現実を受け止める・責任を取るという意味のイディオムです。
避けられない結果や罰に「正面から向き合う」ことを表します。逃げずに現実を受け止める姿勢を示す言い方です。
例文
- I made a mistake,and now I have to face the music.
ミスをしたから、今はその結果を受け止めないと。 - He finally faced the music and apologized.
彼はついに現実に向き合って謝った。
🎬『フェイブルマンズ』での使用例
ミシェル・ウィリアムズ演じるミッツィがピアノを弾く場面。指先の爪が長くなっていることを見つけたセス・ローガン演じる友人ベニーは、軽口を交えながら彼女をからかいます。その冗談の中で、ベニーは爪切りを取り出し、こう告げます。
“All right,Mitzi Fabelman,time to face the music.”
よし、ミッツィ・フェイブルマン、現実と向き合う時間だ。
「そろそろ現実に向き合う時だ」という真面目なセリフですが、「爪を切ってちゃんと弾けよ」という軽口をかけたダブル・ミーニングになっています。
この場面でのこの表現は、「ピアノを弾く準備をしよう(音楽に向き合う)」という感じにも取れますね。
🔽映画・アニメで英語を学ぶならEEvideo!
【Cost an arm and a leg】
意味
とても高い・法外に高価なという意味のイディオム。
直訳は「腕と脚の代償を払う」。それほどの犠牲を払うほど「高すぎる」値段を表す誇張表現です。
例文
- That new phone cost an arm and a leg.
あの新しいスマホ、めちゃくちゃ高かった。 - A trip to Europe can cost an arm and a leg these days.
最近のヨーロッパ旅行はかなりお金がかかる。
🎬『ロックンローラ』での使用例
マーク・ストロング演じるアーチーが、盗まれた絵画を返すよう促しながら、皮肉を交えた会話の中で言うセリフがこちら。
“As it happens,it did cost a very wealthy Russian an arm and a leg.”
実際のところ、その絵のせいで、裕福なロシア人がとんでもなく痛い目にあったんだ。
この言い回しで 単純に高額な代償という意味と同時に、皮肉っぽく「大変な目にあった」というニュアンス を含ませていますね。
【Bite one’s tongue】
意味
言いたいことを我慢して口に出さない、言わずにこらえるという意味のイディオム。「舌を噛むようにして言わない」というイメージで、場の空気や相手を壊さないために、自制して発言を控える時に使います。
例文
- I had to bite my tongue during the meeting.
会議中、言いたいことを我慢しなければならなかった。 - She wanted to criticize him,but she bit her tongue.
彼を批判したかったが、ぐっと我慢した。
🎬『ウェディング・クラッシャーズ』での使用例
オーウェン・ウィルソン演じるジョンと、ヴィンス・ヴォーン演じるジェレミーは、他人の結婚式に忍び込み、女性たちとの一夜限りの恋を楽しむという計画を立てていた。
13年前に“師匠”から学んだ崇高な教えだと主張するジェレミーに対し、ジョンが、「お前はあいつを崇拝しすぎだ。あいつはただの変人だ」と反論すると、ジェレミーはすぐさまこう言い放ちます。
“You bite your tongue.”
黙れ。
この場面では、ジェレミーが尊敬する人物を侮辱されたことに対して、即座に反発し、相手の発言を制止するニュアンスで使われています。
【On your toes】
意味
油断しない・警戒している・即対応できる状態という意味のイディオム。
常に準備万端で素早く動けるようにしていることを表します。仕事やスポーツなどで使われる表現です。
例文
- The guards are always on their toes.
警備員たちは常に警戒している。 - You need to stay on your toes during the meeting.
会議中は気を抜かないようにね。
🎬『アポロ13』での使用例
エンジンタンクの爆発によって、アポロ13号の3人の乗組員は一刻の猶予もない危機的状況。宇宙船が地球大気圏再突入(リ・エントリー)に向けて準備を進める中、フライトディレクターがチームに向かってこう告げます。
“Okay,people,on your toes.”
よし、みんな、気を引き締めろ。
今回の生還ミッションは前例のない異例の事態であり、危険性や不確実性が極めて高い。まさに、この言葉が象徴する状況下にチームは置かれていますよね。
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございました!これは、私自身の英語学習のメモとしてまとめたものですが、少しでも皆さんの学びのヒントになれば嬉しいです。これからも一緒に楽しく英語を学んでいきましょう!
🔽映画を楽しみながら英語を学ぶなら!


